2003年5月 

 たまに個人的に通っている店を取材する ことがある。しかも自分が担当しない特集で。
普段から通ってるくらいだから、当然「エエ店やなあ」と思っている。自 信を持って特集担当者にすすめるわけだが、これが意外にやっかいなことに気付いた。 取材後、自分が行きにくくなってしまうこともあるのだ。
取材を通して知り合うお店と、はじめから個人的に行っているお店がある けれど、後者ならば、お店の方は私の名前はもちろん、あまから手帖の編集部員であ ることも知らないことが多い。
カウンターの店で、しかも客がまばら(私だけだったりする…)だったな ら、世間話が始まる。
「いつも遅いですが、なんのお商売?」。
「先日はうちの取材でお世話になりました」って言えばいいと思うのだけ れど、これまで居心地が良かったもんだから、ヘタなことを言いたくないな、などな どしょーもないことを考えているうちに、うにゃむにゃ言いながら話は弾んでいく。
最近の話になって、「いやね、こないだ雑誌の取材が来てね、あまから手 帖っていうんだけど知らないよね」。知るも知らぬも…と思いながら、はじめに言い 出さなかったことを悔やみつつ、はよ話題変われ〜!と念じるが、ご主人はしばらく この話題を変えるつもりはなさそうだった。(柏)