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2003年12月
ちょっと自慢するが、私は方向感覚に優れている、と思っている。いや、思っていた。しかし今回、その自信はもろくも崩れ去った。
街連載『未知なる匂いのするほうへ』のできるまで。知らない街に降り立って鼻を利かせて小道を入り、路地を踏む・・・とお思いでしょうか? いいえ、そうは問屋は卸さない。特集とは違って、店を探す以外に街全体を把握しようとロケハンを行っている。たいていの場合、事前に広く情報を収集し、調べるだけ調べた上で歩いているのが実情。しかもローラー作戦のように、該当エリアはくまなく筋一本たりとも残さぬ勢いでつぶして歩いているのが常である。
事前に下調べしているわけだから、地図も概ねアタマに入っている。だから迷子になるようなことはない、はずなのだ。しかし今回の舞台、阪急淡路という土地は、なんとも不思議な形をしていて、東西南北が???となってしまった。しかも線路が縦横斜めに走っていて、さらにアタマの中の地図は複雑化。エライことになってしまうのだ。
時は夕刻。相当見て回ってだいたい把握できたと、薄暗くなりつつある道を駅へと歩き出した。しかし、いつもの貧乏根性で、ちょっと気になる路地を見つけると今見ておかねば・・・と少し寄り道したくなる。すぐに軌道修正できるだろうと、気軽に逸れたのが間違いのはじまり。歩きに歩いて、ん? 気が付けば、思ってもみない風景に出くわした。ひょっとしてここは下新庄?
グルグル歩き回った末、小1時間もかけてもとの場所に戻ってきたワケ!!
この小1時間すらも無にしてはならない。街の形を原稿にぜひとも書いてもらおうと、ライターの団田さんにこのエピソードを話すためネタを繰りつつトボトボと、もと来た道を辿ったのだった。今度は寄り道せずに。(柏)
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