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2005年3月
ロケハンの期間は、2週間ぐらいから長くて1ヶ月間ほどです。この期間で、ノルマともいえる「美味しい」店を探しださなければなりません。普段からお付合いのあるライターさんやカメラマンさんなどの口コミを中心に情報を集め、普段の仕事の合間に担当スタッフは河原町、ミナミ、三宮などへと出かけていくことになります。
3月号のロケハン期間は年末年始の休みに入るまでの、いつもより短い期間。美味なる3000円台コースを求めて、寒風すきすさぶ年末の街へ、スタッフは飛び出していきます。
今回の私の担当は京都。観光シーズンを終え、普段の顔にもどった京都の町を、あちらの店、こちらの店と歩き回りました。
前半は順調に進んだものの、後半はネタも尽き、なかなか決まらない! だんだん残り時間もなくなってきた…となると、最終手段。それは食事のはしご。
まずは一軒めの店。小鍋料理を含む、全6品の和食のコースを完食したものの、いくつか気になる点があり、取材はあきらめることにしました。これで充分満腹なのだけど、手ぶらで編集部に戻るわけにもいかない。30分ほどの移動時間を消化のインターバルに、次のフレンチの店へ移動しました。この店は、前菜、スープ、メインにデザートの4品。品数があまり多くないことに少し救われた気分でいたら、前菜が運ばれてきました。なんと大皿に6種類の前菜が、てんこ盛り!「たっぷりの前菜でゆっくりワインをお楽しみください」というのがそのお店の趣旨で、どれも手の込んだものばかり。ちょっとひるんだものの、美味しそうなものを前にして不思議と気分も変わり(食い意地がはってるだけ?)、その夜2度目のコースもデザートにいたるまで、すべて完食しました。
和食の7品に、たっぷり前菜のフレンチの4品。「ああ、よく食べた…。取材できるお店も見つかってよかった」とほっとしながら、お会計を済ませ、立ち上がろうとした時、ガッターン!! 大きな音に、一瞬お店の中が静まり返りました。立ち上がった瞬間、目の前が暗くなり、ふらついた私は、とっさに支えにしようとして手をかけた椅子を、倒してしまったのでした。あまりにも満腹になりすぎると、気が遠くなることをその日、生まれて初めて体感しました。
後日読んだ本に、やはりレストランで食事をしたあと、立ち上がりざまに倒れるお客さんがわりといるのだとありました。消化のため、胃に血液が集中するので、人によっては脳貧血を起こしてしまうとか。美味しい料理もほどほどが何よりです。3月号はどの店もリーズナブルで美味しい店ばかりですが、どうぞ1晩に1軒だけお楽しみください。(衣)
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