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2006年2月
寒い。凍えそう! ロケハンを開始した12月初旬。関西を突然の強烈な寒波が押し寄せました。
日頃、「寒さには強い」と豪語している私も、さすがに堪えました。今回はお店探しだけではなく、町の雰囲気を知ることが大事だったため、寒空の中にいる時間がすごく長かったんです。しかも連日。朝から晩まで。
京都特有の、キーンと空気の割れるような音が聞こえそうな寒さ。神戸・灘の容赦のない豪快な六甲おろし。このダブルパンチが、ボディブローのように私の身体にダメージを与えてました。
12月号、1月号と特集続きで、疲労のピークにあった私にとってはかなり苦しい戦いでした。
そんな中、入ったお店ではまず熱燗。普段ですと、熱くしすぎるお店が多いのですが、今回はさすがに酒蔵のある町ということで、温度のコントロールをきっちりしてくれる店が目立ちました。
温度といえば、灘の『沢の鶴』では、燗酒や冷酒の温度帯を旨く表現しておられ、それを広めようとされていました。
例えば、冷酒では、
●雪冷え(ゆきびえ) 約5℃
●花冷え(はなびえ) 約10℃
●涼冷え(すずびえ) 約15℃
燗酒では、
●日向燗(ひなたかん) 約30℃
●人肌燗(ひとはだかん)約35℃
●ぬる燗(ぬるかん) 約40℃
●上燗(じょうかん) 約45℃
●あつ燗 50℃近辺
●飛びきり燗 55℃近辺といった具合です。
すごくオシャレだし、日本語の幅広さを感じますよね。みなさんも是非使ってみてはいかがでしょうか。
また実際に、それぞれの温度で飲み比べしてみてください。同じお酒でもすごく味わいは変わってきますよ。
凍えそうになってた私は、上燗で。
まだ、どのお店でも通じる言葉ではありませんが、曖昧だった基準がクリアーになるのはいいことだと思います。
さて、今回の店探しは、フリー編集者の中本さんと分担して回っていたのですが、ある晩突然、その中本さんに一緒に回ってほしいと呼び出され、今津郷周辺を共に歩くことになりました。
駅前とはいえ、すごく寂しい町。
呼び出されたのはいいけれど、私は胃が急に痛み出し、ろくに食べられないような状態でした。
一軒の店は芳しくなく、二軒目を探すことに。すでにこの界隈を回りまくっていた中本さんはさすがに疲労困憊で、「もう店ないんちゃう?」とテンションが下がりまくってました。
ただ、ここで私のセンサーが働き出しました。「もう少し歩いてみません?」。
駅の北へ行き、西へ行き、そして南へ。その時、ポッと明かりが灯る店が。我々二人は、吸い付けられるように店の前へ。
「餃子に、銀ダラの西京焼き、トック…。ジャンルがバラバラやん(笑) 」。不思議なメニューですが、何かヒットの匂いがします。
店に入ると、店主はそこにいず、女性の常連さんが一人。「あ、今すぐ呼びます」。スナックの居抜きぽいお店。普通の人なら、このあたりで引いちゃうところですが、何となくココはいけそうだという自信が私には湧いてきてました。
しばらくしてご主人が登場。刺身の盛合せを始め、いくつか注文することに。
「お待たせしたんで、これサービスです」。刺身の中にトロをそっとしのばせてくれたりと、気が利いたことをしてくれる。魚も旨いし、餃子も旨い。餃子を出すタイミングもちゃんと、魚を食べ終わった頃に出してくれました。
そのうち場が盛り上がり、話をどんどん聞いてみると、なんとこのご主人は昔、中本さんが取材をしたことのあるお店のご主人でした。
「すごい偶然やね〜」。そこからさらに話は大盛り上がり。今までの寒さはすっかりどこかへ飛んでしまいました。都合のいい私の胃も、一軒目はなんだったの?って具合に絶好調。餃子もトックもバクバク食べちゃいました。
このお店は今回の16ページに載っています。
今回、我々は灘・伏見を中心に回りましたが、まだまだ面白い酒蔵があることを発見しています。「なんでアソコを載せてへんねん」という声もあるでしょうけれど。またおいおい紹介していければと思っています。灘、伏見。日本酒党も、あまり詳しくない人も是非回ってみてください。資料館なども結構楽しいですよ。(慎)
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