2007年1月
 毎年1月号は定例のお祭り号。エリアやジャンルなどの縛りなく、幅広く関西の食の総集編とするケースが多いのですが、今年のテーマはズバリ「恐るべし、関西 食の専門ワールド。「恐るべし」とは? そして妙に目を引く「その愛情、偏りすぎです!」というサブキャッチの真意とは? ページをめくる前から、例年以上に気になる1月号になったのではないでしょうか。
 我々を「専門ワールド」の底なしの深淵に引き込んだのは、企画会議に持ち込まれたとある一軒の「専門店」情報。「実は神戸で、コレコレこういう店を見つけまして…」「はあ〜!?アオリイカ専門店!?」。そのマニアックな響きに一同、思わず中腰に。イカはイカでも、アオリイカ専門とは…きっと独自の世界観を持った、ツッコミどころ満載のお店に違いない! 実態を調査せずにはおれぬこの魅力的な情報のおかげで、企画の実現がほぼ決まったのでした。
 さて実際に始まった、「これ専門!」の人、モノ、コトの取材。私が担当したのは、「どこじゃそれ?」と聞き返したくなるレア〜な各国料理の専門店、「まるごと一軒、そればっかり?!」なテイクアウト店、あるピンポイントの用途のためだけにある、専門道具の紹介ページ。意外に一番苦労したのは専門道具のページ、のべ2週間にわたる道具探しの日々でした。ヘッドが見つけてきた「うずら卵剥き器」にまさるレア道具、一体どこに行けばあるのやら…。まず頭に浮かんだのは、以前取材でお世話になった大阪・道具屋筋商店街の『大阪漆器』さん。突然の訪問のうえ「見たこともない道具、ありませんかね…」という相変わらず怪しげな相談にも関わらず、「これはどう?」「あれは普通?」とあれこれ道具をかき集め、貸し出してくださった社長のお姉様。本当にお世話になりました。はたまた昔なつかしいちょぼ焼き器やわらび餅切り器、タイ焼きならぬイカの姿焼きができる鉄板など、「大阪やなぁ…」と感心させられる楽しい道具を教えてくださったたくさんの商店の皆さま、いい勉強をさせていただきました。もちろん、取材をさせていただいた京都・錦小路の『有次』さんにも多大なる感謝を。私が出合ったレア道具については、本誌1月号をどうぞご覧ください!
 イカ専門に貝専門、ウォッカマニアに味噌ソムリエ…、その対象を愛するがゆえの、思い入れたっぷりの専門店。「食」にどん欲な関西だからこそ出合える、まさに「恐るべき」ワンポイント勝負のモノたち。でも特集を終えて感じたことは、この「専門さん」たち、実に自然に街に馴染んでいるんです。いつものお店もよく見れば、何かの「専門ワールド」の一員かも!普段とちょっぴり視点を変えて、周りのお店を眺めてみるのも楽しいですよ。(篠)