2007年6月
6月号第2特集は「串料理」。各種串焼きから串カツ、ピンチョスなどなど、グイッと串をしごくロケハンの日々が続きました。改めて心に浮かんだのは、「串に刺さった食べ物は、どうしておいしそうなんだろう」という素朴すぎる疑問。
喉が鳴る焼鳥も、誰かとシェアしようと串から外した途端に「おいしそう」感は大幅減。味は変わらないはずなのに。箸を使わず、ひょいと手を伸ばせばすぐ口に運べる気軽さが視覚・味覚に訴えるのか。串料理の店を20店以上回りましたが、謎は解けませんでした。
さて、そんな串の魅力を大いに活用しているなあ、と感じ入ったのが、ロケハンで何往復もした京都・錦市場の店々。今回の特集でも『鮮魚 木村』の鮮魚串、『麩房老舗(ふふさろうほ)』の生麩団子串を紹介していますが、ほかにも串カツあり、焼鳥あり、鰻の肝焼きに焼き穴子ありと、そこここで串料理を商っているのです。こんがりと焼けた、あるいはジュワリと揚がった串たちが、ルックスや匂いで通りがかる人々を惹きつけます。
休日はごった返す錦市場。でも、串ものならちょいと脇に入ればパクッと食べられる。お腹が膨れすぎることもないから、いろいろ食べたい観光客にはもってこいの軽食です。烏丸側から錦を練り歩いて串ものを買い込み、川床が並ぶ鴨川べりで昼酒でも…先を急ぐロケハンの途中なのに、思わずそんな妄想にふけってしまいました。「おいしそう」が手ぐすね引いて待っている串天国・錦市場へ、皆さんもぜひどうぞ。(拓)