2007年10月号

 どの特集でもそうですが、毎回ロケハンや取材をしていると、普段はお目にかかれないような凄いものに出合える機会が多々あります。
 今回取材した近鉄奈良駅近くのワインバー『カーブ・ドゥ・ムスタッシュ』で、ご主人が
「ちょっと面白いもの見る?」と持ってきたのが、 貴腐ワインのシャトーディケムを5本。これでいくらするんで しょう?左の瓶は綺麗な黄金色だが、右に行くにつれてその色はだんだん琥珀色に変化している。ご主人曰く「これが2年前、こっちが7年前、次が20年、50年、最後は80年ほど経っている」。熟成が進むにつれてワインの色も変化し、もっと年数が経てば、最後は水に近づいていくのだとか。ワインは生き物というのを実感です。
 含蓄のある言葉に感動していると、ご主人が「あと(シャトー)ムートン(・ロートシルト)は、50年分ぐらいは揃ってるよ」。「ロマネ・コンティもあるよ(値段を見るとありえない価格です)」…と次々にワイン好きにはたまらないワインがゴロゴロ。お客さんの中にはセラーの中に入って1時間以上も出てこなかった人がいるとか。またご主人も、作るのが大変だからという理由で、ワインリストはなし。1000本以上あるワインセラーに何があるのか把握しきれていないそうです。「毎年買っていたら、こんだけ増えたんよ、飲むのが追いついていないね(笑)」。このご主人の気軽な気質が、おそらく奈良でも指折りのワインの品揃えを生んだのではないでしょうか。
  ただ、全部でいくらになるのか、想像するだけでも…う〜ん、凄い!(松)