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2008年 8月
8月号・第2特集は「薫る! スパイシーカレー」。スパイスの様々な香味を生かしつつ、日本人の舌に合うよう工夫されたオリジナリティー溢れるカレーばかりを集めました。そのトップを飾ったお店、大阪・長堀橋の『ゴヤクラ』に出合えたときは、そりゃもう喜びました。食べたのはチキンキーマとトマトカレーの合いがけ。トマトの程よい酸味が清涼感を呼び、チキンキーマの強烈なペッパーがあとを引き、さらに両者とも白ごはんとの相性がとてもいい。これは!と話を聞けば、まるでこちらの企画意図を知っているかのように、「日本人に合うスパイシーさを追求してるんです」と語るご主人。その場で取材をお願いしました。
さて、「日本人のためのスパイシー」は、ここ最近の関西カレー界(?)のキーワードではありましたが、以前からこのテーマに取り組んでいて、高い支持を集めているお店もあります。新ネタではないからと、これらを割愛してしまうのは惜しい。というわけで、先輩格の人気店、大阪・北浜『カシミール』と、新鋭の『ゴヤクラ』、それぞれのご主人を引っ張り出し、あれこれ語り合っていただこうと考えました。
しかし、食べに行くことを「詣でる」と言うカレー好きもいるほどの『カシミール』。平日のオープン前から行列ができ、仕込みの進捗によっては開店が数十分遅れることもしばしば。席についても、前の人たちの注文したカレーが出来上がるまでオーダーできないルールです。大概はカレーが無くなって早めに閉店。一人でやってらっしゃるお店なので、電話もはばかられます。つまり、取材のお願いに行くタイミングが非常に難しい。
カレーをいただいて、食後にささっとお話を、と訪ねてみれば、初回は「ごめんなさい! 今日はもう売り切れで…」。申し訳なさそうに言いながら、最後に入ったお客さんたちのカレー作りに忙しいご主人。これでは話は無理。退散です。二度目は開店前に並び、首尾よく美味しいホウレン草カレーを食べ終えましたが、やはり調理に没頭するご主人を邪魔するわけにはいかず、名刺だけ置いて「またお電話します!」と言い残すのが精いっぱい。その後、何度かお電話してやっとお話しすることができました。
はじめは取材に消極的だったご主人ですが、企画内容を縷々(るる)お伝えするうち「面白そうですね」と俄然ノッてきてくださり、『ゴヤクラ』さんとのハイテンション・スパイシー談義が実現したのです。共にミュージシャン、共に脱サラ組と、話してみればやたらと共通項が多かったお二人。「ニッポン・スパイシー」なカレーに関わったのも偶然ではないだろう。個人的には、そんな確信に近い思いを得ました。
取材もうまくいって、よかったよかった。あとは、カレーの連チャンで出っ張ったこのお腹を元に戻せば万事OKということで…あれ? あれ? 戻らないな。(拓)
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